電気伝導率のはなし:測定方式
1.交流2電極方式
現在実用化されているものに交流2電極方式、交流4電極方式、電磁誘導方式があります。電気伝導率を測定するには被検液中に一対の通電用電極をもった電気伝導率セルを浸せきし、これに電流を流し抵抗を測定します。測定は、交流で行われますが、直流で測定すると電極面と被検液との間に分極と呼ばれる現象が生じて被検液の真の抵抗が測定できなくなるからです。電気伝導率が高くなると周波数も高い交流を流すことにより分極抵抗が低くなり、高精度に測定できます。当社の電気伝導率計は、周波数を切り換えてそれぞれに対応しています。
2.その他の方式
交流4電極方式は、分極および汚れに強い特長を持ち、工業用等に用いられていますが、構造、増幅器が複雑になり、小型化、低価格化には難があります。
電磁誘導方式は、電磁誘導により電気伝導率を測定するもので、汚れや分極の影響が少なく高電気伝導率の領域(海水等)に有用ですが反面、電気伝導率セルが大きくなり、少量測定や低電気伝導率の測定には不向きといわれています。