電気伝導率のはなし:電気伝導率の測定
1.電気伝導率の測定
電気伝導率は、「面積1 m2の2個の平面電極が距離1 mで対向している容器に電解質溶液を満たして測定した電気抵抗の逆数」と定義されています。
つまり電気の通りやすさを示すものであり、それは溶液中に含まれるイオンの総和であるともいえます。したがって、溶液中のイオンの全量を知れば意味がある場合や、変化するイオンが分かっている場合などには、目的イオンに対して良い濃度計となります。
また、水質計として純水、ボイラー缶水の純度測定を中心として工業/農業用水、河川、湖沼の水質管理などその用途は広範です。
2.電気伝導率セル
電気伝導率セルは、図のような関係を比例的に満たして、用途に応じて各種の形状の電気伝導率セルが製作されています。
測定範囲は5 μS/mの超純水から200 S/mまで、被検液量は最少1 mL、浸せき形や流通形等があります。
3.セル定数
セル定数は、電気伝導率セル固有の値であり、寸法形状から決まるもので計算によって求められるはずですが、現実には電気伝導率セルの構造が単純でなく、計算によって求めることは非常に困難です。
実際には、塩化カリウム標準液を測定したときの電気伝導率を測定することにより求めています。セル定数、“100 m-1” であることが理想ですが、製造上の理由から±10%の範囲でばらつきます。
これを本体のセル定数の設定により、求められた値をセットし補正します。
4.電気伝導率の25℃表示について
溶液の電気伝導率は、温度が変わると変化する性質があります。
そのため単に電気伝導率を表示したのでは意味をもたず、その時の温度を明示する必要があります。
また、比較する場合、ある統一された温度での表示が必要でもあります。
JIS K 0130電気伝導率測定方法通則では「標準の温度は25℃とする」と規定しています。