pHのはなし:pH標準液
pH測定は、基準値に対する相対値の測定であるため、基準値を正確に定める必要があります。これが校正です。pH電極は、ばらつきやガラス膜表面の状態(汚れなど)によって発生起電力が異なるので、標準液を用いて補正する必要があります。通常はpH 7の標準液でZERO点を、他の標準液でSPANを校正し、pH計に検量線を記憶させます。
JISには標準液が記載されています。通常は、pH 7(pH 6.865)の中性りん酸塩pH標準液と、pH 4(pH 4.008)のフタル酸塩pH標準液、または、pH 9(pH 9.180)のほう酸塩pH標準液を用いて校正するのが一般的です。
JISではこの他にしゅう酸塩pH標準液(pH 1.679)、りん酸塩pH標準液(pH 7.413) 、炭酸塩pH標準液(pH 10.01)および参考方法として飽和水酸化カルシウム溶液(pH 12.45)が記載されており、目的に応じてこれらの標準液を使用します。
pH標準液はpH測定の基準であることから、日本では以下の内容で計量法トレーサビリティ制度やJISに制定されています。
(1)認証pH標準液
・ 国の監督指導の下にある公的検査機関によって検定を受けた標準液で、
・ 種類によって第1種(1/1000pH)、第2種(1/100pH)の両方または第2種のみがあります。
(2)調製pH標準液
・ JIS Z 8802 に規定された方法により調製された標準液で、5種類あります。
第1種pH標準液や第2種pH標準液は、国より認定を受けた指定事業所で販売しています。調製pH標準液は、JISに従って調製し、国の検定なしで市販されています。
当社は調製pH標準液のみ販売しております。