お知らせ
発電細菌を利用した「BOD※1監視システム」を設計開発、商品化しました
2021年09月06日
省エネ性の高い畜産排水処理管理を実現
東亜ディーケーケー株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:高橋俊夫、証券コード:6848)の連結子会社である山形東亜DKK株式会社(本社:山形県新庄市、代表取締役社長:佐々木彰)は、農研機構のBODバイオセンサー※2を活用し、BOD監視システム(以下、本システム)を商品化しました。本システムは、農林水産省 革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)の研究成果物であり、畜舎などの排水処理施設において、発電細菌を用いて排水中のBODを短時間で測定することで、BOD値に応じた浄化施設の曝気(ばっき、空気供給)を調節します。これにより処理水質を維持しながら電力消費量を削減するとともに、IoT技術で排水処理施設の稼働状況を遠隔監視します。
農林水産省は、2005年3月「環境と調和のとれた農業生産活動規範」を策定し、その中で家畜の飼養・生産にあたり環境負荷の低減とエネルギーの節減を目指しています。特に、畜産における汚水処理は環境負荷が大きく、環境に優しい排水処理制御技術が求められています。また、2019年には水質汚濁防止法による畜産業に対する窒素(硝酸性窒素等)の暫定排水基準が引き下げられました。この基準は3年ごとに見直され、今後さらなる厳格化が見込まれております。
排水処理施設ではBOD値に応じて浄化施設の曝気を調節することで電力消費の削減に大きな効果があります。しかし、従来のBODの測定方法では5日間を要するため曝気制御への適用は困難でした。本システムは、有機物を分解する際に電流を発生させる発電細菌を利用し、浄化施設のBOD値を短時間(6時間)に予測することで、運転制御の応答性を高めて過剰な曝気量をなくし、電力消費量の削減に貢献します。さらにIoT技術で、スマートフォン等による測定水質の遠隔監視や水質異常を知らせるアラートメール等の機能を実現し、施設保守管理の効率化にも寄与します。
このたびプロジェクトに参画した公設試験研究機関及び企業における3年間の実証実験を経て開発を完了しましたので、普及に向けて関係機関と連携し販売いたします。
※1 BOD(生物化学的酸素要求量 Biochemical Oxygen Demand)は、 ⽔の汚れの指標で、排⽔浄化処理や河川の⽔質監視において重要な測定項目。
※2 農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)が考案した技術(微生物電解セル/特許第6327718号)。
以上
お問い合わせ先
山形東亜DKK株式会社 E-mail:bod@y-dkk.com TEL:0233-23-5011