製品情報
「下水高度処理用分析計の品揃え」についてを発表
2008年09月26日
東亜ディーケーケー株式会社(本社:東京都新宿区、社長:佐々木輝男)は、「下水高度処理用分析計の品揃えについて」を発表いたしました。
最近の下水処理では、「高度処理」がキーワードとなっています。当社はこの「高度処理」をテーマとして、7月にパシフィコ横浜で開催された下水道展'08横浜にて、ORP計、溶存酸素計などを出展し、昨年を上回る多くのお客様にご覧いただき好評をいただきました。
高度処理された下水は、「飲料水に匹敵する水質」まで浄化されます。このように処理された水は、河川に放流されて河川の水質浄化にも一役買っています。また、「せせらぎ用水」として利用され、市民の憩いの場である公園などに潤いを添え、高層ビルの雑用水などにも活用されています。
「高度処理」は文字通り下水を従来以上に浄化して排出するための処理で、従来十分に処理できていなかった、りんや窒素の処理を強化しようとするものです。
残念なことに、日本の高度処理化は、欧米に較べて、遅れているのが現状です。
「高度処理」では、凝集剤を添加してりんの除去機能を強化したり、微生物を活用 してりん・窒素を除去する手法が取り入れられています。 微生物を活用しての処理は嫌気処理、無酸素処理、好気処理といった工程の組み合わせで行われます。酸素濃度を制御することで、微生物にりんを取り込ませたり、硝酸 や亜硝酸の形となった窒素から、酸素を取り込んで窒素ガスを放出させたりします。酸素濃度を制御するためには溶存酸素計やORP(酸化還元電位)計が必要となります。
溶存酸素計やORP計は、これまでもありましたが、下水処理施設では、電極の汚れによって指示値が変動し、制御のための指標としては使いにくく、対策としては人手による洗浄しかないと言うのが実情で、あまり活用されていませんでした。
ORP計に関しては、日本下水道事業団、新日本製鐵株式会社、メタウォーター株式会社との共同開発により、特殊な洗浄方法(パルスエアジェット方式)の採用で、使いにくさを克服し、高度処理の酸素濃度制御用として十分に機能する製品を開発しました。昨年の下水道展’07東京で、その成果を発表し、今年の下水道展'08横浜では、「製品」として発表しました。
また、溶存酸素計は、隔膜を透過する酸素をポーラログラフ法で測定する方式でした。この方式では、隔膜と内部液の交換や校正作業が必須のメンテナンス作業で数ヶ月ごとにこれらの作業を行う必要がありました。これに対して、新技術である蛍光式溶存酸素計では、1年毎のセンサキャップ(検出器心臓部)の交換だけで安定した測定値が得られます。ただし、両方式とも、汚れの問題は残しています。これについても、ORP計で効果のあったパルスエアジェット方式の採用で解決することができました。
高度処理は主として窒素やりんの処理が目的です。当然、全窒素・全りん計が必要となります。このほかに、窒素処理の制御用としてアンモニア計、硝酸・亜硝酸計も必要となります。当社は、HACH社製品も含めてこれらの分析計を取り揃えており、今後の拡大が見込まれる国内下水高度処理分野で拡大する各種分析計の需要にお応えしてまいります。
一方中国では、北京オリンピックを契機に中国で環境対策が急速な進展を見せており、当社の水質分析計の売上も大きく伸びております。2008年度上期(4月〜9月)の中国向け環境水質分析計の売上は前年同期に較べ5倍近い上昇が見込まれます。
国内の下水高度処理や中国の環境水質市場は、今後大きく進展する市場として期待するとともに、これらの要求に応える製品開発に注力してまいります。
以上
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